東京負け犬エレジー
そしてあの空に座り僕は僕について考える。
見下して初めて知るちっぽけな自分の存在を。
誰かの名前を紙に書いては、
何度も燃やして遊んだ。
本当に燃やしてしまいたかったのは、
他の誰でもない。
この僕だったのにね。
悔しい時に笑う癖。
使う度におかしくなって、
太陽を睨めつけたら木漏れ日で蜂の巣になった。
いつか見るはずだった思い出なんてもういらないから、
同情で作られた病室に飾られた花は捨てよう。
もう一度明日に帰ることが出来るのなら、
失くした声なぞ何処にでもくれてやる。
死んでくれ。
無様に倒れて泣き崩れる日々もいいさ。
叫んだ心が惨めに踏み潰されても、
開いたこの目ですべてを見続けろ。
「さようなら。」
僕は何かに始まりの挨拶を済ませたんだ。
東京、一人、泣き笑い。
日ばこれはエレジー。
遠き日の約束、歌に乗せて高く、空。
東京、一人、泣き笑い。
然れどこれがエレジー。
哮る哀歌、響き渡れ、空。
負け犬には遠吠えがお似合いと云うけれど、
牙をむく弱者達の強さを見せてやれ。
例え顔を焼かれても死んで花実が咲くものか。
世界を背にして歩け。
この街で生きるなら。
見かけだけに騙されて、
中身の事なんて分かろうともしない頭が良い奴等に、
僕の気持ちなんてこれっぽっちも分かりやしません。
でもそれでいい。
他人の言葉を使ってまで、
自分を説明したいわけじゃあないんです。
去る者は日日に疎し。
群れを成す一匹狼になんぞなりたくはないのです。
死刑に失敗した死刑囚の様に、
素晴らしき最悪を手に入れた負け犬は、
飼い慣らされた狼を噛み殺して生きたいんです。
生きたいんです――――――。
- 专辑:東京負け犬エレジー
- 歌手:FIGURE'71
- 歌曲:東京負け犬エレジー