孟春(もうしゅん)の空の霞、眺む(なかむ)。
淑気(しゅくき)満つ刹那、霞晴れし。
沈沈(しんしん)として山深し(やまふかし)小暗(こぐらし)の間(あい)、
寄り添って。
時のどむ、明け六つ(あけむつ)、響み(どよみ)、天伝う(あまつたう)、
東雲(しののめ)。
諸恋ひて(もろごいて)、真日長く(まげながく)恋ひ渡る。
思ひ積みてもなお、比翼は恋衣離さず。
斑雪(はだれゆき)の隙間から紅の薄様(くれないのうすよう)。
天道歩く初茜。
時節(じせつ)、逸早し(いちはやし)。
時移る間(ときうつるあい)、撓る(おおる)様な事も少なからず。
比翼連理(ひよくれんり)にも離れ方。
片笑み想えば愛しみす(うるわしみす)。
丸くなった背中(せな)で語る昔話は色褪せぬ。
想ひ出の中、大切な言葉で成り返る。
諸恋ひて、真日長く恋ひ渡る。
思ひ積みてもなお、比翼は恋衣離さず。
常しへなり、色深し。まるで珠の様な蛍火。
此れぞ、真の恋。
- 专辑:氷輪紫鬼
- 歌手:鳥海浩輔
- 歌曲:慕情春海~比翼篇~