一人の旅人が語り継いだのは 稚く笑う少年の詩(うた) 毅魂 唯一の代と選ばれ 清らかな総身奉る 生を受けたその折に運命(さだめ)と決められ 務めを告げられた 崇む人々 貢物を並べ 花弁を散らし 揚言した祭日 刹那 安穏の時も すべては虚しき偽り 偶像に与えられたカタルシス 兆し見せしむ 何れ来る砌 『信ずることで救いを求め 欲すれば与えられるだろう』 黙すればするほど沸く シュプレヒコール 少年が真理だと臆したのは 様相を呈し蔓延る狂気 やがては言葉をも奪われた 俗間の人の心奥である 最期の夜