豊穣の女神の娘.イゥリプカ. 娘は不思議な力を持っていた. 祈れは実りを.舞えば雨を.謳えば太陽を. 意のままに操ることの出来得る力があった. しかし娘は.皇城付きの易者の予言により 益と災いを同時にもたらす者として 山奥の伽藍へと幽閉さえ.その日々を送っていた. 陽の光を.草の息吹を見ることの能わぬ. 籠の鳥のような暮らしではあったが それは.物心の付く遙か前からの娘の常であったので さして不満を覚えることなく.日々祈り.舞い.謳っていた. 娘の舞いにより.国は飢えることなく栄えてゆき 平穩で