風に香る桜 花びらを連れて あなたの上に降る 見えない雨粒 それは 春の嵐 うすい手のひらから涙をこぼして あの子は泣いていたの? あなたに降る雨が 冷たくなければいい あなたを包み込む やさしい桜の雨ならば なすすべ無いまま 見送る背中はただ 静かに進んでゆく ひとりの旅路を迷わない眼で 夜に香る花に 記憶をたどれば 時の向こう岸へさらわれてしまう それは 春の嵐 高く花天井 見上げる横顔 願いはひとつだけで あなたに降る雨が 冷たくなければいい あなたを包み込む やさしい桜の雨ならば 祈るよ