夜に浮かんだ 上弦の月欠けて ゆらり零れる 紅玉石(こうぎょく)の色の雫 足音ひとつたてずに通り過ぎる しなやかな闇 纏う 猫たちの影 細い祭儀の詞(うた) 混沌の淵 解き放つ名前(コトバ) それは刻まれし契約の 消えないあかし 聖言(せいこん) 白と黑の織りなす糸 操られ 踊るの さぁ 神も覚(し)らぬ誓約の 破滅遊戯(ゆうぎ)を始めましょう 永久(とわ)に終わらぬ この禁断の宴を 闇に浮かんだ 十六夜の月満ちて 八つ乙女らの 唇は柘榴を蝕(は)む 舞い散る紅(あか)は 馨しき花のよう 穢れを