ひとり佇む 誰そ彼 小指絡ませぬ ゆびきり 明日も来るから ここに居りなさい 心ぼそき閨の中でも 灯りとなる その言葉 髪撫づる 痩せた手と手を 繋ぎ歩む 双りの砂利道 今も あの日は褪せずに 格子隔てて散る花 骨に纏わりし蝶々も はやくお帰りと 舞ひて ささめきて 刻の過ぎる故里に住む 恋慕える あの人は 嗚呼 偏に別人のよう 知らぬ人に 知りえぬ笑みなど見せて 世界を違える 便り絶える閨の中でも また良い子に眠ります だから 呼んで 名前だけでも 忘れぬこと それだけの願い 今は 儚く醜く