醜き月 私の心を知るものはいない この薔薇を 愛した人は何処にいるのだろうか 愛に生き愛に死せるのならば ただ眠るまで いつしかその名も忘れてしまうほどの霧の外れにある 時の迷い子 訪れるものはもりに息衝くものだけ ある晴れた日の午後 舞い降りた私の花よ ざわめく木立は一筋の光を誘った 愛がいつか私を殺すとしても悔いることはない あなたに捧ぐ想いだけが私に残された真 最後の一輪よ 美しく 信じているその裏側に突き刺さる棘 冷たい夜霧が代わりに泣いている 愚かだと 醜き月 私の心を知るものはいない